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みなさんは街のなかに立ち並ぶ電柱や縦横に張りめぐらされた電線をみて、どのように感じますか? その存在が気になってしょうがないという人もいれば、「あって当然。何も感じない」という人もいるでしょう。
ところが、長い目でみればこの電柱や電線が、住宅の資産価値に大きな影響を及ぼすかもしれないのです。
電柱や電線を地上からなくすこと(地中化などによる無電柱化)には、都市景観の向上や交通安全対策、歩行空間のバリアフリー化、都市災害の軽減、情報通信ネットワークの安全性・信頼性の向上など、さまざまなメリットが指摘されていますが、今回は主に都市景観の観点から住宅への効果を考えてみることにしましょう。
欧米の都市に比べて日本の無電柱化は大きく立ち遅れているのが現状で、「日本の街並み景観は劣る」といわれる一つの要因にもなっています。
海外では1977年時点までにロンドン、パリ、ボンが100%の無電柱化を達成していたほか、他の主要都市でも軒並み高率となっています。さらに、香港が100%(2004年)、台北が95%(2013年)、シンガポールが93%(1998年)など、アジアの都市でも無電柱化がかなり進んでいるようです。
それに対して日本の状況はどうでしょうか。国土交通省がまとめた2013年度末時点の無電柱化率は、東京23区がようやく7%、名古屋市と大阪市が5%といった水準でしかありません。
さらに、その無電柱化は国道や都道府県道といった幹線道路が中心で、市区町村道などの非幹線道路(=生活道路)では、ほとんど進んでいないのが実態でしょう。
国土交通省などでは1986年度から3期にわたる「電線類地中化計画」「新電線類地中化計画」に取り組み、さらに実効性を上げるため2004年度から2008年度までの5年間は「無電柱化推進計画」を掲げて無電柱化を推進しましたが、なかなか思いどおりに進んでいないようです。
日本の主要都市で無電柱化率が100%を達成するのは、まだこれから数十年先、あるいは来世紀になるのかもしれません。ロンドンやパリなどと比べれば100年以上の遅れとなりそうです。
しかし、住宅地でも無電柱化を実現したケースが全国で少しずつ現れてきています。東京都下の大規模分譲住宅地で、街並みの整備と合わせた無電柱化で、すっきりとした空間が生まれています。
従来の住宅地ではどうでしょうか。どこにでもある見慣れた風景といってしまえばそれまでですが、電柱や電線があるのとないのとでは大違いです。住宅そのものの見栄えすら異なるように感じられるのではないでしょうか。
無電柱化された街並みの住宅地が、大都市圏にかぎらず地方都市などでも徐々に現れてきています。しかし、いまの時点では全体のなかでごく少数派でしょう。
電柱や電線が「ない街」に優位性があるとはいっても、それが原因で電柱や電線が「ある街」の資産価値にそれほど影響を及ぼすわけではありません。
ところが、これから先の十数年あるいは数十年のうちに無電柱化が大きく進んだ場合にはどうなるでしょうか。
無電柱化された分譲地をいくつか見てきている人の話を聞くと、これまで気にならなかった既存の街並みが「汚く見えてしょうがない」というのがおおよそ共通した意見です。
無電柱化された街並みをあちこちで見かけるようになれば、おそらく同様の意識を持つ人が多くなることは容易に想像できると思います。
多くの人は希望エリアをある程度まで絞り込んでから住宅探しを始めることでしょう。いくら電柱や電線が「ない街」の景観が優れているといっても、それを選ぶことのできない立場の人が圧倒的に多いはずです。
しかし、住宅地での無電柱化が進み、電柱や電線が「ある街」と「ない街」で物件の比較検討、選択のできる人が増えればそれも変わります。電柱や電線が「ない街」の希少性は薄れる代わりに、電柱や電線が「ある街」の物件はなかなか売りづらくなることも十分にあり得ます。
住宅の資産価値を換金性、流動性の面に絞って考えたとき、電柱や電線が「ある街」の資産価値がいずれ相対的に低下することは免れないでしょう。
一つの都市全体で無電柱化が完了するまでにはかなり長い年月が必要です。しかし、過半数とまではいかなくても、おそらく近接エリア内で3割から4割程度の無電柱化が進めば、電柱や電線が「ある街」の資産価値に対する影響が出始めるのではないかと感じられます。
無電柱化が大きく進むのは遠い将来のことでしょうが、電柱や電線が「ある街」における資産価値の低下は意外と早く訪れるかもしれません。