



契約時には宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。ここには、契約者(借主)が物件に関して知っておくべき内容が含まれており、理解した上で賃貸借契約書に署名・捺印を行います。不動産特有の用語も多いため、理解しにくい箇所も出てくるでしょうが、不明点や疑問は必ず解消しましょう。契約後に「そんなつもりではなかった」という事態を避けるためです。
重要事項説明の内容は大きく分けて「物件に関する情報」(登記内容や設備等)と「取引条件に関する情報」(費用、契約期間、契約更新等)の2つに分かれます。特にトラブルが多いのは敷金や保証金の返還に関する部分で、契約終了時の精算方法をしっかり確認しておきましょう。また、2006年以降、アスベスト調査や耐震診断の項目も加わっています。お店の内装や外観がどれだけ理想通りでも、安全上の問題があれば退去を検討せざるを得ません。長期営業のためには、安全面の確認も重要です。
これらの説明や確認を経て物件引き渡しが行われますが、元々の不備や汚れなどは引き渡し前に不動産会社に確認してもらいましょう。退去時に、入居前からあった不備を自分の責任とされないよう、最初の確認がトラブル回避に役立ちます。
まず、相見積を取得して施工会社を選定し、工程を確認しつつ工事を進めますが、契約時には施工会社と発注者である自分がしっかりと打ち合わせておくことが大切です。図面や作業ごとの工程表を作成しておくと、引き渡し時のチェックに役立ちます。
工事が完了し引き渡し時には、図面や工程表通りに作業が完了しているか確認しましょう。全体の確認後は、ドアの開閉や床の段差といった細かい点もチェックしてください。
気になる点があれば、すぐに施工会社へ伝えましょう。発注通りに工事が行われていない場合は是正工事を依頼できます。この場合、追加費用はかかりませんが、完成後に追加依頼をした場合には別途費用が発生します。
表面だけでなく、機器の動作確認も忘れずに行いましょう。開業後に機械の不具合で営業に支障が出ないよう、動作を確認し、保証書の有無や保証期間・範囲も確認しておくと安心です。経営者として、お店の設備面もしっかり把握しておきましょう。
重要事項説明や工事契約で不足していた項目があれば、その場で説明を受け、書面に追記してもらいましょう。トラブルが発生した場合、書面がなければ証拠が残らず、自分の主張が通らないこともあります。物件引き渡し時の不備については、写真に撮り、日時を記録しておくと良いでしょう。トラブル回避のため、証拠を残しておくことが大切です。