



居抜き物件は、初期費用を抑えられる点や開業までの時間を短縮できる点から、新規開業や移転を考える事業者に人気があります。
一方で「設備が故障して余計な出費がかかった」「退去時の原状回復でトラブルになった」など、思わぬ問題が起こるケースも少なくありません。
本記事では、居抜き物件でよくあるトラブル事例とその対処法を詳しく解説します。これから居抜き物件を借りる予定の方や、売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
居抜き物件とは、前のテナントが使っていた内装や設備をそのまま引き継げる物件のことです。
飲食店、美容室、オフィスなど幅広い業種で利用されており、設備が残った状態で次の借主に引き渡されるケースが多く見られます。
新規開業時には、内装工事や設備投資の負担を大幅に軽減できるのが大きなメリットです。
特に飲食店では、厨房機器やカウンター、テーブルなどが揃っている場合が多く、開業コストを抑えられる可能性があります。
ただし、設備の老朽化や使い方によっては修繕費がかさむこともあるため、事前のチェックは欠かせません。
メリット
開業までの準備期間を短縮できる
→ スケルトン物件だと工事完了まで2〜3ヶ月かかる場合もありますが、居抜きなら大幅に短縮可能。
初期費用を抑えられる
→ 浮いた資金を運転資金に回せるのは大きな利点です。
前テナントの顧客を引き継げる可能性がある
→ 立地や業種によっては開業直後から集客につながるケースも。
デメリット
内装や間取りが理想と異なることが多い
残された設備が故障・老朽化している場合、修繕費用が発生する
前テナントのイメージが強く残っていると、新規店舗のブランディングに影響が出る
契約前には、設備の状態や修繕履歴を確認し、不測のコストが発生しないように備えることが重要です。
1. 設備不良・故障
引き渡し時は問題なさそうでも、実際に営業を始めると空調や冷蔵庫、水道設備などに不具合が出るケースが多いです。
事前に専門業者による点検を依頼すると安心です。
2. 原状回復の範囲をめぐるトラブル
「居抜きで借りたから居抜きで返せばいい」と考える借主と、「契約前の状態に戻してほしい」と主張する貸主との間で対立するケースがあります。
契約時に原状回復の範囲を明確に記載しておくことが不可欠です。
3. 前テナントの債務や評判を引き継ぐリスク
未払い債務や地域での悪評が残っている場合、新規店舗の信用に影響することがあります。
業者や近隣からの評判を事前に確認することが有効です。
4. 近隣住民との関係
前テナント時代からの騒音・臭気トラブルが尾を引き、新しいオーナーが不利益を受ける場合もあります。
開業前に住民とのコミュニケーションを取るなど、関係改善の姿勢を示すことが大切です。
1. 適正価格の設定
設備投資額をそのまま価格に反映させると買い手がつかない場合があります。
市場相場や専門家の意見を踏まえ、現実的な価格設定を行いましょう。
2. 設備の状態を正確に伝える
故障や不具合は隠さずに開示することで、信頼関係を築きトラブルを防止できます。
3. 引き継ぎ書類の準備
保証書や取扱説明書、メンテナンス履歴などを揃えておくことで買い手の安心材料になります。
4. 法的手続き・税金対策
設備譲渡契約の作成や税務上の扱いについては、専門家に相談するのがおすすめです。
不動産価格と設備価格を分けて契約することで、税務上有利になる場合もあります。
居抜き物件はコストや時間を抑えられる反面、設備不良や契約条件、前テナントの影響などのリスクも伴います。
借りる場合も売却する場合も、事前確認と誠実な情報開示を徹底することで、スムーズで安心な取引につながります。