1.貸室面積の確認新しいオフィスを探す際に、まず決めなければならないのが必要な面積です。最も簡単な方法は、現在使用しているオフィスの面積を調べて、それを基準にすることです。しかし、ここで注意すべきことがあります。それは、「現在のオフィスの契約はグロスなのかネットなのか?」ということです。どういうことでしょうか。 オフィスビルの契約面積は、大きく分けて2通りの表示方法があります。一つは、エレベーターホールやトイレ、給湯室、廊下などを含めた面積「グロス契約」であり、もう一つは、事務室(執務スペース)のみを契約面積とする「ネット契約」です。契約面積の決定については、貸主の考え方次第ですので一概には言えませんが、グロス契約は中小型ビルで1フロア1テナントのビルなどに多く、ネット契約は大型ビルや、1フロアに複数テナントが入居するビルに多い傾向があります。契約面積の表記は、原則として壁芯計算であり、内寸法ではありません。また柱がある場合は、柱の面積も含まれます。間取り例ネット契約契約面積 60坪グロス契約契約面積 70坪 現在のオフィスがネット契約であり、次に移転するオフィスがグロス契約であった場合、現在の契約面積よりも10〜20%程度大きめのスペースを借りなければ、同じ程度の広さのオフィスを確保することはできません。また、賃料面でも坪単価だけに着目していると、グロス契約の方が割安に見えてしまいますので、注意が必要です。グロス契約とネット契約の見分け方ですが、ネット契約の場合、テナント募集資料の間取り図の賃貸部分のみ着色している場合が多く、グロス契約の場合、何も着色されていないことがほとんどです。ただし、ネット契約なのに間取り図が着色されていない場合もありますし、色分けされているのにグロス契約ということもごく稀にありますので、「この物件はグロスですかネットですか?」と確かめておくと良いでしょう。2.空調方式の確認オフィスの空調方式には、大きく分けて個別空調方式とセントラル空調方式があり、それぞれにメリット、デメリットがありますので、しっかり理解しておくことが必要です。 個別空調式セントラル空調式概要ゾーンごとに配置された室内機ユニットによって、こべつに運転ができます。空調機のオンオフを24時間手元でおこなうことができるので、最近の中規模以下のビルはほとんどこの方式です。中央の熱源を稼働させてダクトや水配管を通じて空調をおこなう方式です。空調の運転時間が平日9時〜18時など決まっており、それ以外の時間は時間外運転を管理室に申し込む必要が有ります。時間利用者が24時間個別に運転できるので、自由度が高く突然の休日出勤にも対応できます。設備員による運転が必要です。管理体制によっては土日祝・深夜に空調運転ができない場合もあります。料金運転した分だけ電気料金がかかります。共益費に含まれています。時間外運転は単価×時間で計算されます。空気冬期の湿度管理が難しく、乾燥しがちです。ただし、調湿装置を別途備えたビルも有ります湿度コントロールができてるため、管理状態が良ければ空気質が良好です増設室内機の追加工事が出来ない場合があり、多く間仕切を設けたい場合に、大きなコストがかかる場合があります。ダクト方式の場合、空調の吹き出し愚痴の増設が比較的安価にできます。制御中小規模の物件で使用されるパッケージエアコンは、室内機が個別に制御できない場合があるので注意が必要です。可変風量方式を導入したビルなどは室内サーモスタとによる細かな制御が可能になります。セントラル空調は不便なものという印象があるせいか、人気がありませんが、24時間設備員が常駐するビルや集中センターから遠隔コントロールできるビルの場合、休日・深夜対応も可能ですので、大きな不便を感じることはありません。また、制御方式によってテナント側で細かい温度設定を行うことができるビルもありますし、調湿や換気の実施により空気環境は個別方式のビルより快適であることが多いので、セントラル空調だからという理由だけで、選択肢から外してしまうのはもったいないと言えるでしょう。3.床の配線方式の確認床のOA対応にはいくつかの方法がありますが、床下にコンセント配線やLANケーブルを自由に敷設できるOAフロア(フリーアクセスフロア)と床にアップコンセントと電話線等を通すことができる配管を埋め込んであるフロアダクト方式(3ウェイ、2WEYなどと表記)、があります。OAフロア方式は自由度が高いものの、コンセントを必要な場所まで配線する必要があり、思いの外コストが掛ってしまうことがあります(OAフロアでも床面にコンセントを設置してあったり、床下にOAタップを設置してある場合もあります)。一方フロアダクト方式は、配線ルートが制限されますが、コンセントは予め設置されているため初期費用は抑えることができます。 新築時から設計織り込みでOAフロアが設置されているビルと、リニューアルでOAフロアを敷設したビルでは、利便性が異なることがあります。リニューアルの場合は、天井高や床荷重に制限があるので、薄型で軽量のOAフロアが採用されることが多く、歩行感や配線容量が十分満足できるものではないこともあります。また、リニューアルの場合は、エレベーターホール等と床の高さを揃えることが難しいため、入口部分にスロープや段差が設けられています。4.耐震性の確認1981年(昭和56 年)6月1日に、現行の「新耐震基準」が施行されました。それ以前に建築確認を受けたビルを旧耐震ビルと呼び、現行法で建築されたビルを新耐震ビルと呼びます。あくまで目安ですが、旧耐震ビルはおよそ震度5程度、新耐震ビルは震度6〜7程度の地震で倒壊しないことを想定しています。なお、新耐震基準で定めるのは最低基準であり、大型地震の発生時に、直ちに倒壊しないというレベルでの耐震性を義務付けており、絶対に安全というわけではありません。 1981年6月以降に建築されたビルが新耐震だと考える方が多いのですが、81年6月以降に竣工したビルであっても、建物が着工するのは建築確認を受けた後のことですので、旧耐震基準で建てられた可能性があります。特にビルの場合は、着工から1〜2年かかるのは通常のことですし、近隣問題等で工期が延びた場合も含めると82〜83年竣工のビルでも旧耐震の可能性はありますので、新耐震基準かどうかは必ず確認しておきたいポイントです。また、旧耐震ビルであっても、耐震診断を実施して構造耐震指標(is値)が0.6以上のビルや、耐震補強でis値を0.6以上に向上させたビルは、新耐震基準並みの耐震性を有していることになります。一般的に81年以前の竣工で、新耐震基準並みの耐震性を持つビルは新耐震ビルより賃料が割安なことも多いので、探してみてもいいかもしれません。5.その他の確認事項電気容量の確認電気容量が足りない場合、原則としてテナント負担による増設工事が必要になります。フロアの分電盤工事だけで対応できる場合はそれほど多くの費用はかかりませんが、引込電線を交換しなければならない場合や、ビル全体の電気容量を増設しなければならない場合は、高額の費用がかかってしまう場合があります。サーバールームや特殊な機械など電力消費の大きい設備を持ち込む予定の場合は、予め電気容量と増設可能な上限を確認しておくことが必要です。天井高天井が高ければ開放感があり部屋を広く感じますが、低ければ閉塞感から狭く感じます。理想としては2.7m以上の高さがあればよいのですが、古いビルやOAフロアにリニューアルされているビルの場合は、2.4〜2.6mというのが一般的だと思います。ちなみに、最新鋭の大型ビルでは天井高さ2.8〜3m程度確保するケースが多いようです。セキュリティー設備意外と忘れがちなのが、テナントビルのセキュリティー体制のチェックです。専用部のセキュリティー設備の設置費用や警備保障料金は、オーナー負担の場合と、テナント負担の場合の両方のパターンがあります。後者の場合、初期費用と月額数万円の固定費が必要になりますので、あらかじめ費用負担を考えておく必要があります。また、独自にセキュリティーシステムを構築したい場合、ビルのセキュリティシステム、防災設備との連動が必要になりますので確認が必要です。清掃料金・光熱費の単価テナントビルの場合、電力会社とテナントが直接契約を結ぶことはほとんどなく、一旦ビルオーナーが高圧で受電して、ビル内の設備で低圧に変換して電気を供給しています。そのため、電気料金の単価はビルごとに異なっており、移転してみたら思いの外、光熱費が高かったというケースがあります。また、清掃に関しても指定の会社で、指定の仕様、指定料金が定められているケースもあり、交渉が効く場合と、効かない場合がありますので注意が必要です。エレベーターの台数・サイズエレベーターが1基しかないビルでは、通常の場合、平日の日中は引越しの荷物や内装工事建材の搬入ができず、休日および夜間・深夜対応が必要になる場合があります。また、エレベーターのサイズが小さいと、長尺の建材や大型什器のエレベーター搬入ができないので、階段およびクレーンで窓から搬入する等、移転コストが膨らむ原因になります。アスベストの有無日本では、1975年9月に吹き付けアスベストの使用が禁止されました。また、2004年に石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止、2006年には同基準が0.1%以上へと改定されています。不動産取引においては、重要事項説明を行う際に、アスベスト使用の有無の調査が行われているかどうかを記載し、説明する義務が生じています。なお、アスベストが使用されているビルでも、封じ込めを行う等、しっかり管理されている場合は、安全にビルを使用することができます。床の耐荷重一般的なオフィスビルの場合、300�圈伸屬�一般的であり、大型の書庫や金庫を設置する場合は、床の補強を求められるケースや設置場所を指定(梁の上等)されるケースがあります。最近のビルでは500〜1000kg/�屬硫拿鼎紡僂┐襯悒咫璽妊紂璽謄�ーゾーンを設けているケースもあります。
1.貸室面積の確認
新しいオフィスを探す際に、まず決めなければならないのが必要な面積です。最も簡単な方法は、現在使用しているオフィスの面積を調べて、それを基準にすることです。しかし、ここで注意すべきことがあります。それは、「現在のオフィスの契約はグロスなのかネットなのか?」ということです。どういうことでしょうか。
オフィスビルの契約面積は、大きく分けて2通りの表示方法があります。一つは、エレベーターホールやトイレ、給湯室、廊下などを含めた面積「グロス契約」であり、もう一つは、事務室(執務スペース)のみを契約面積とする「ネット契約」です。契約面積の決定については、貸主の考え方次第ですので一概には言えませんが、グロス契約は中小型ビルで1フロア1テナントのビルなどに多く、ネット契約は大型ビルや、1フロアに複数テナントが入居するビルに多い傾向があります。契約面積の表記は、原則として壁芯計算であり、内寸法ではありません。また柱がある場合は、柱の面積も含まれます。
グロス契約契約面積 70坪
現在のオフィスがネット契約であり、次に移転するオフィスがグロス契約であった場合、現在の契約面積よりも10〜20%程度大きめのスペースを借りなければ、同じ程度の広さのオフィスを確保することはできません。また、賃料面でも坪単価だけに着目していると、グロス契約の方が割安に見えてしまいますので、注意が必要です。
グロス契約とネット契約の見分け方ですが、ネット契約の場合、テナント募集資料の間取り図の賃貸部分のみ着色している場合が多く、グロス契約の場合、何も着色されていないことがほとんどです。ただし、ネット契約なのに間取り図が着色されていない場合もありますし、色分けされているのにグロス契約ということもごく稀にありますので、「この物件はグロスですかネットですか?」と確かめておくと良いでしょう。
2.空調方式の確認
オフィスの空調方式には、大きく分けて個別空調方式とセントラル空調方式があり、それぞれにメリット、デメリットがありますので、しっかり理解しておくことが必要です。
セントラル空調は不便なものという印象があるせいか、人気がありませんが、24時間設備員が常駐するビルや集中センターから遠隔コントロールできるビルの場合、休日・深夜対応も可能ですので、大きな不便を感じることはありません。また、制御方式によってテナント側で細かい温度設定を行うことができるビルもありますし、調湿や換気の実施により空気環境は個別方式のビルより快適であることが多いので、セントラル空調だからという理由だけで、選択肢から外してしまうのはもったいないと言えるでしょう。
3.床の配線方式の確認
床のOA対応にはいくつかの方法がありますが、床下にコンセント配線やLANケーブルを自由に敷設できるOAフロア(フリーアクセスフロア)と床にアップコンセントと電話線等を通すことができる配管を埋め込んであるフロアダクト方式(3ウェイ、2WEYなどと表記)、があります。OAフロア方式は自由度が高いものの、コンセントを必要な場所まで配線する必要があり、思いの外コストが掛ってしまうことがあります(OAフロアでも床面にコンセントを設置してあったり、床下にOAタップを設置してある場合もあります)。一方フロアダクト方式は、配線ルートが制限されますが、コンセントは予め設置されているため初期費用は抑えることができます。
新築時から設計織り込みでOAフロアが設置されているビルと、リニューアルでOAフロアを敷設したビルでは、利便性が異なることがあります。リニューアルの場合は、天井高や床荷重に制限があるので、薄型で軽量のOAフロアが採用されることが多く、歩行感や配線容量が十分満足できるものではないこともあります。また、リニューアルの場合は、エレベーターホール等と床の高さを揃えることが難しいため、入口部分にスロープや段差が設けられています。
4.耐震性の確認
1981年(昭和56 年)6月1日に、現行の「新耐震基準」が施行されました。それ以前に建築確認を受けたビルを旧耐震ビルと呼び、現行法で建築されたビルを新耐震ビルと呼びます。あくまで目安ですが、旧耐震ビルはおよそ震度5程度、新耐震ビルは震度6〜7程度の地震で倒壊しないことを想定しています。なお、新耐震基準で定めるのは最低基準であり、大型地震の発生時に、直ちに倒壊しないというレベルでの耐震性を義務付けており、絶対に安全というわけではありません。
1981年6月以降に建築されたビルが新耐震だと考える方が多いのですが、81年6月以降に竣工したビルであっても、建物が着工するのは建築確認を受けた後のことですので、旧耐震基準で建てられた可能性があります。特にビルの場合は、着工から1〜2年かかるのは通常のことですし、近隣問題等で工期が延びた場合も含めると82〜83年竣工のビルでも旧耐震の可能性はありますので、新耐震基準かどうかは必ず確認しておきたいポイントです。また、旧耐震ビルであっても、耐震診断を実施して構造耐震指標(is値)が0.6以上のビルや、耐震補強でis値を0.6以上に向上させたビルは、新耐震基準並みの耐震性を有していることになります。一般的に81年以前の竣工で、新耐震基準並みの耐震性を持つビルは新耐震ビルより賃料が割安なことも多いので、探してみてもいいかもしれません。
5.その他の確認事項
電気容量の確認
電気容量が足りない場合、原則としてテナント負担による増設工事が必要になります。フロアの分電盤工事だけで対応できる場合はそれほど多くの費用はかかりませんが、引込電線を交換しなければならない場合や、ビル全体の電気容量を増設しなければならない場合は、高額の費用がかかってしまう場合があります。サーバールームや特殊な機械など電力消費の大きい設備を持ち込む予定の場合は、予め電気容量と増設可能な上限を確認しておくことが必要です。
天井高
天井が高ければ開放感があり部屋を広く感じますが、低ければ閉塞感から狭く感じます。理想としては2.7m以上の高さがあればよいのですが、古いビルやOAフロアにリニューアルされているビルの場合は、2.4〜2.6mというのが一般的だと思います。ちなみに、最新鋭の大型ビルでは天井高さ2.8〜3m程度確保するケースが多いようです。
セキュリティー設備
意外と忘れがちなのが、テナントビルのセキュリティー体制のチェックです。専用部のセキュリティー設備の設置費用や警備保障料金は、オーナー負担の場合と、テナント負担の場合の両方のパターンがあります。後者の場合、初期費用と月額数万円の固定費が必要になりますので、あらかじめ費用負担を考えておく必要があります。また、独自にセキュリティーシステムを構築したい場合、ビルのセキュリティシステム、防災設備との連動が必要になりますので確認が必要です。
清掃料金・光熱費の単価
テナントビルの場合、電力会社とテナントが直接契約を結ぶことはほとんどなく、一旦ビルオーナーが高圧で受電して、ビル内の設備で低圧に変換して電気を供給しています。そのため、電気料金の単価はビルごとに異なっており、移転してみたら思いの外、光熱費が高かったというケースがあります。また、清掃に関しても指定の会社で、指定の仕様、指定料金が定められているケースもあり、交渉が効く場合と、効かない場合がありますので注意が必要です。
エレベーターの台数・サイズ
エレベーターが1基しかないビルでは、通常の場合、平日の日中は引越しの荷物や内装工事建材の搬入ができず、休日および夜間・深夜対応が必要になる場合があります。また、エレベーターのサイズが小さいと、長尺の建材や大型什器のエレベーター搬入ができないので、階段およびクレーンで窓から搬入する等、移転コストが膨らむ原因になります。
アスベストの有無
日本では、1975年9月に吹き付けアスベストの使用が禁止されました。また、2004年に石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止、2006年には同基準が0.1%以上へと改定されています。不動産取引においては、重要事項説明を行う際に、アスベスト使用の有無の調査が行われているかどうかを記載し、説明する義務が生じています。なお、アスベストが使用されているビルでも、封じ込めを行う等、しっかり管理されている場合は、安全にビルを使用することができます。
床の耐荷重
一般的なオフィスビルの場合、300�圈伸屬�一般的であり、大型の書庫や金庫を設置する場合は、床の補強を求められるケースや設置場所を指定(梁の上等)されるケースがあります。最近のビルでは500〜1000kg/�屬硫拿鼎紡僂┐襯悒咫璽妊紂璽謄�ーゾーンを設けているケースもあります。